2019年12月03日

「地上」の泉用水近くの銭湯

IMG_0433 (800x600).jpg

「地上」(1957)で田中絹代と川口浩親子が下宿していたのは、泉用水に面した芸妓紹介所の2階。

この場面で金沢二中から帰って来た川口浩(画面右上の学生服)が下宿前にある銭湯(画面左に暖簾が見える)から出てきた色街の女たちとすれ違う。この銭湯は僕の子どものころにはまだあって、何度か行った記憶がある(銭湯の名前が思い出せないのだが)。泉用水沿いには野町駅前に「野町湯」というのもあって、こちらは平成の時代まで営業していた。
posted by 山崎浩治 at 08:27| Comment(0) | 映画の中の「消えた風景」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月02日

「50歳時未婚率」時代のコメディ

とある大学で開催されたシンポジウムを取材していた時、「生涯未婚率」が国からの指導で今年から「50歳時未婚率」に言い換えられるようになった、という話を聞いた。なんでも50代になって結婚する人が増えてきているかららしい。確かに人生100年時代、50代で未婚だからって「生涯」とされるのは乱暴だろう。

50代未婚男性を主人公にした「まだ結婚できない男」はまさに「50歳時未婚率」時代ならではのドラマ。とはいえ、ツッコミどころは満載。コメディなので50代シングルにとって大きな問題であるはずの「親の介護」の問題は無視しているし、戸建てメインの建築家なのに自身が住んでいるのはマンション。しかも極力部屋に客を呼ばない主義にもかかわらず、キッチンはアイランド型とかなり支離滅裂なキャラクター設定だ。

もっとも、主人公が単身者用の中古物件リノベを中心に手掛ける建築家で、キッチンにはアンティークの五徳コンロが1個、老親の介護にも苦労としている人物だとすると、それはそれで息が詰まりそうだ。肩の凝らないコメディであるならば、これくらいのユルさが必要なのだろう。
posted by 山崎浩治 at 09:22| Comment(0) | 本やドラマの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月28日

忠臣蔵のメンタリティー

行政から参考資料としてもらった石川県の有効求人倍率の過去50年ほどの推移を見ると、ここ3カ月の県内の有効求人倍率は2倍超え。年次平均の過去最高は1973年の2・12倍で、それに迫る勢いだ。第1次オイルショックが1973年だから、まさに高度成長の終焉時期にあたる。ちなみに年次平均の過去最低はオイルショック後の1977年の0・58倍(就職氷河期ど真ん中の1999年は0・59倍)だった。

「決算!忠臣蔵」の舞台は17世紀末の5代将軍・徳川綱吉の治世。武士大リストラ時代を経たこのころ、武士の有効求人倍率は0・1倍にも満たなかったのではないだろうか。忠臣蔵を経済の視点で描いた「決算!忠臣蔵」は一見、「引っ越し大名!」と同じように「ダウンサイジング映画」のように見えるものの、決定的に違うのは赤穂浪士たちの討ち入りが虎の子の持ち金をすべて使い果たした上での「忠義」を大義名分にしたヤケクソ的自爆に見えることだ。忠臣蔵のメンタリティーを説明する上で、この論理はかなり腑に落ちる。
posted by 山崎浩治 at 08:42| Comment(0) | 映画の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする